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今年も宜しくお願いします。

2014年になりました。
このところ いつも書き出しは、時間の経つのがはやいわ~的な事ばかり・・・

性格からか常に慌ただしい私なのですが、皆様 今年もどうぞ宜しくお願いします。

新年は、干支に因んだものでスタートしたいと思います。
今年も宜しくお願いします。_b0218775_1356365.jpg

やはり今年も父のてっせん彫「福午」です。

父は今年の夏 83歳になります。父が83歳だなんて信じられません。
私の中では父はずっと50代くらいで、車に絵と彫刻を積んで 日本中を忙しく展覧会してまわっていた その頃のまま・・・です。
80歳を過ぎてもとても元気ですが、てっせん彫は想像以上に筋力がいる作業らしくて、最近は少し削ってもすぐに腕が痛くなるので、新たに作ることはしていません。お正月は、いえ お正月も? テレビを見て大好物のお餅を食べてゴロゴロしてるかな?このごろかなり太り気味です。

今年も宜しくお願いします。_b0218775_1474435.jpg

さて次は、上総の芝原人形(しばら人形)
江戸時代に京都・伏見稲荷周辺でつくられはじめた土人形が全国に広まったそうで、この芝原人形もその一つだそうです。でも近頃はどこの土人形も後継者がいなくて、無くなりつつあるらしいです。
実家の近くの出雲人形を作ってられるおばあちゃんも同じようなことを言ってらっしゃいました。
素朴でいいなぁ・・・と思います。なくならないで欲しいなぁ。

今年も宜しくお願いします。_b0218775_14161025.jpg

最後は私が作った(正確には私は簡単なところだけ、後は先生作)の古帛紗です。
お裂地は「馬蹄つなぎ 八宝相天馬紋 紹巴 緞子」
長い名前だけど万国的に幸福をもたらすといわれている馬蹄の中に8つの宝物と天を駆ける馬がデザインされてる と~~~ってもおめでたい柄です。

お馬さんのように元気に駆ける一年にしたいと気持ちは前向きです。

# by gallery-izumi | 2014-01-06 14:28 | いろいろ

芋ハンの更紗

師走です。
師走というだけで慌ただしい気分になってしまいます。(と毎年言ってる)
クリスマスのケーキと年賀状の用意しなくっちゃ~。なんてね。

さて、話は飛ぶけど学生の頃コレを染めました!!
芋ハンの更紗_b0218775_12375334.jpg


コレっていうのは、着物地です。自分で染めたんやで!!(自慢気~笑)
実はこれ薩摩芋のハンコを延々と押して染めていく技法で、根気があれば比較的初心者でもできます。「芋ハン更紗」確か先生はそう呼んでらしたと思います。

つまりこれで三行目に戻って・・・・・年賀状の芋ハンと同じ作り方なのです。
これ一着で20年分以上の芋ハン年賀状をつくった気分になります。

手順は、まずデザインから。
この場合は、紙にダイア柄を描き その中を埋める模様をデザインしました。適当に小さく分割しないと巨大な薩摩芋を探さなくてはならなくなります。
そしてそのデザインのハンコを薩摩芋でつくって、その後は ひたすらひたすら・・・・・押していくのです。
柄が歪まないように、むらなく柄が出るように・・・慣れないとかなり注意が必要です。

途中で芋ハンを誤って生地の上に落とした事もあります。薄い色の柄なら誤魔化せるけど、墨色のハンの時に落としたら・・・・たいへーーーん。

集中力がもたなくて、一つの柄でさえ一日で押しきれない時もありました。そういう時はハンコをラップで厳重に包んで、なるべく数日中に押してしまわなくてはなりません。
お芋の水分が抜けてしまうと、微妙なサイズが変わってくるからです。一個で0.1ミリ縮んだら10回おすと1ミリ、100回で1センチもずれてしまいます。

押していくうちに薩摩芋の角が磨耗してとれてきます。
上手い具合に磨耗してくれたら とてもいい雰囲気になるのですが、計算通りにはいかず欠けてしまったり・・・・・。

苦労しました。
あれから30年近く?経ったけど、お気に入りの着物として今でも着ています。
でももう二度と作れない!!薩摩芋はハンコより食べるほうがいい私です。

# by gallery-izumi | 2013-12-06 13:08 | テキスタイル

HPE ラオスの布

もう5年くらい前になるかなぁ。
当時 国分寺にあった谷 由起子さんの事務所で初めてラオスのレンテン族が作る紬を見た。
「ビビビッ」からのドキドキする高揚感!!!「なに~この布、引きつけられる~!目が離せない!!!」
これ、決して大袈裟でなく あの時の衝撃が全然表現出来てないっ!。

ともかく「この布の着物を着たい!」と即決。そして出来たのがこの着物である。
因みに帯もその後 買い足した谷さんの布で作ったもの。昼夜帯と云ってリバーシブル。
HPE ラオスの布_b0218775_1132363.jpg

う~~ん。画像では布の良さが伝えきれてない(涙)
木綿と絹の違いはあるけど、大昔の丹波木綿みたいな力強さと素朴さ その上に絹独特の繊細な質感、両方が備わってる布なのだ!!

何故か?それはこの布が作られる全ての工程で 一つとして力の省略がないからに他ならない。
ああ。。。この話になると鼻息荒いわ~。落ち着け私。

そう。何回も言うけど、レンテン族の人達は 桑畑を耕す→蚕さんを育てる→絹糸に紡ぐ→染める(モチロン染料も自分達で調達する)→織る を、代々伝わる方法で省略なしで作ってる。産業革命以前の方法なのだ。
例えば藍に染める時に必要な石灰。これさえ石灰岩を砕いて30時間も焼いて自分たちで作ってるというのだ。 その辺で売ってる石灰だと染め上がった時の色が全然違うらしい。

更に この布の凄いところは使えば使う程 美しくなっていくって事。
この着物を擦り切れるまで着て、もう仕立て直しが出来なくなるくらいにボロッってなっても 薄くなったところには継ぎを当てたり刺し子をしたり、パッチワークで他の布とあわせたりして他のものに再生できる。着物として少しずつ古びていく途中も美しいのだが、その再生されたものもとても魅力的だ。
谷さんの展覧会で、使い古された布で作られたパッチワークを是非ご覧頂きたい!

落ち着け~私。

ともかく 私はこの着物に袖を通す度に、手塩にかけて作られた布を纏う幸せを感じる。
こんな布がまだ地上に存在してて、普通の庶民が着物に出来るくらい身近なものであることに感謝してる。

「資本主義の波を被ってこの布作りが今後限りなく不可能に近くなる」そう言いながらラオスと日本を行ったり来たりして布作りを諦めない谷さんが、「今の一瞬を大切にして作ってみたいものを作った」という会が浦安であります。
谷さんの今年最後の展覧会です。
この会はギャラリーではなくHPE主催で、なにやら他の会場とは違う楽しい企画があるそうな。絶対行かなくっちゃ!!


HPE ラオスの布

11月16日(土)~22日(金)
11時から18時

於 路風舎ーろふうしゃー

浦安市堀江3-5-2(旧 宇田川住宅裏)

会期中の連絡先 03-3368-2636 (会場に転送される)

会期中 会場にはいつも谷さんがいらっしゃるそうです。

# by gallery-izumi | 2013-11-14 11:32 | テキスタイル

お仕覆9号完成 おまけ付き

お仕覆9号が完成しました。
お仕覆9号完成 おまけ付き_b0218775_1402334.jpg


裂地は「花文入 船越間道」

伊予の守 船越五郎衛門 さんが好んだ縞模様だから 船越間道。
そこに小さな花模様が加えられてるので花文入り なんだって。

中身のお茶入れは高価な物ではないけれど、故郷 奈良の赤膚焼きなので気に入って大切にしている物です。
なので、このお茶入れにせっせとお仕覆を作っている訳です。

一つのお茶入に着せ替えのお仕覆を作ると、必要になってくるのが中詰。
という訳で、中詰も作りましたよ~。
お仕覆9号完成 おまけ付き_b0218775_1411418.jpg


中詰 意外と手間がかかりましたが、これでお仕覆の型崩れを防げます。

今度はどんなのを作ろうかなぁ。

# by gallery-izumi | 2013-11-10 14:13 | お茶

谷由起子さんの布

吉祥寺のOUTBOUNDに行って来ました。

「H.P.E. 谷由起子の仕事/ラオス少数民族との布づくり」 という展覧会を拝見し そして一年に一度谷さんの笑顔に会う為です。
谷由起子さんの布_b0218775_1053183.jpg

お元気そうで笑顔がほんとうに素敵な谷さん。
羽織られているのは、新しくチャレンジされている絞りのスカーフ。まるで星のように見える柄が魅力的でした。

まずOUTBOUND の小林さん撮影の「藍染のために使う石灰づくり」のテープを拝見しました。

山中にある巨大な石灰岩をまず砕くところからテープは始まります。とても硬い岩のようで 兎に角ガンガンガンと・・・特殊な機具もなく工事現場などにころがっていそうな鉄の棒でひたすら・・・

砕かれた岩の小さいものは、女性やお年寄り「子供?」と思うような華奢な体つきの人達で、大きな塊は男性が木の皮で即席でつくった紐をかけ 天秤で二人がかりで運ばれていきます。

それから その石は崖の斜面を利用してつくられた窯につめ込まれ(ここまでで既に辺りは真っ暗)30時間 ためておいた薪で焼かれるのです。
谷由起子さんの布_b0218775_1131191.jpg

この写真は窯に火をくべている様子で、今回のDMにも使われています。

気の遠くなるような過程を経てつくられた石灰は均等に分配されるそうです。
町では安く石灰が売られてるそうですが、この石灰で染められた藍染は色が格別にいいらしく、村人達はこだわって 過酷な作業を続けているとのことでした。

さて、谷さんと「HPEの布で作った着物を着ていく」と約束していた私。
秋らしい色のを持っていてよかった。
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着物は力のある紬 帯ももちろん谷さんの布で、表と裏の両方使えるように作ってもらった「昼夜帯」です。
私の拙い写真では 布の魅力を充分に撮影できてなくて残念。

会場いくまでに「素敵なお着物ですね」って知らない方から声をかけられたんですよ!!
うれしい!!
力のある布のお陰ですね。

多くの人に谷さんの魅力ある布を見て欲しい!!この素晴らしい布が地上から無くならないように・・・


OUTBOUNDでの谷さんの展覧会は11月111日まで(5日はお休み)です。

# by gallery-izumi | 2013-11-01 11:38 | テキスタイル