カテゴリ:テキスタイル( 27 )

芋ハンの更紗

師走です。
師走というだけで慌ただしい気分になってしまいます。(と毎年言ってる)
クリスマスのケーキと年賀状の用意しなくっちゃ~。なんてね。

さて、話は飛ぶけど学生の頃コレを染めました!!
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コレっていうのは、着物地です。自分で染めたんやで!!(自慢気~笑)
実はこれ薩摩芋のハンコを延々と押して染めていく技法で、根気があれば比較的初心者でもできます。「芋ハン更紗」確か先生はそう呼んでらしたと思います。

つまりこれで三行目に戻って・・・・・年賀状の芋ハンと同じ作り方なのです。
これ一着で20年分以上の芋ハン年賀状をつくった気分になります。

手順は、まずデザインから。
この場合は、紙にダイア柄を描き その中を埋める模様をデザインしました。適当に小さく分割しないと巨大な薩摩芋を探さなくてはならなくなります。
そしてそのデザインのハンコを薩摩芋でつくって、その後は ひたすらひたすら・・・・・押していくのです。
柄が歪まないように、むらなく柄が出るように・・・慣れないとかなり注意が必要です。

途中で芋ハンを誤って生地の上に落とした事もあります。薄い色の柄なら誤魔化せるけど、墨色のハンの時に落としたら・・・・たいへーーーん。

集中力がもたなくて、一つの柄でさえ一日で押しきれない時もありました。そういう時はハンコをラップで厳重に包んで、なるべく数日中に押してしまわなくてはなりません。
お芋の水分が抜けてしまうと、微妙なサイズが変わってくるからです。一個で0.1ミリ縮んだら10回おすと1ミリ、100回で1センチもずれてしまいます。

押していくうちに薩摩芋の角が磨耗してとれてきます。
上手い具合に磨耗してくれたら とてもいい雰囲気になるのですが、計算通りにはいかず欠けてしまったり・・・・・。

苦労しました。
あれから30年近く?経ったけど、お気に入りの着物として今でも着ています。
でももう二度と作れない!!薩摩芋はハンコより食べるほうがいい私です。
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by gallery-izumi | 2013-12-06 13:08 | テキスタイル

HPE ラオスの布

もう5年くらい前になるかなぁ。
当時 国分寺にあった谷 由起子さんの事務所で初めてラオスのレンテン族が作る紬を見た。
「ビビビッ」からのドキドキする高揚感!!!「なに~この布、引きつけられる~!目が離せない!!!」
これ、決して大袈裟でなく あの時の衝撃が全然表現出来てないっ!。

ともかく「この布の着物を着たい!」と即決。そして出来たのがこの着物である。
因みに帯もその後 買い足した谷さんの布で作ったもの。昼夜帯と云ってリバーシブル。
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う~~ん。画像では布の良さが伝えきれてない(涙)
木綿と絹の違いはあるけど、大昔の丹波木綿みたいな力強さと素朴さ その上に絹独特の繊細な質感、両方が備わってる布なのだ!!

何故か?それはこの布が作られる全ての工程で 一つとして力の省略がないからに他ならない。
ああ。。。この話になると鼻息荒いわ~。落ち着け私。

そう。何回も言うけど、レンテン族の人達は 桑畑を耕す→蚕さんを育てる→絹糸に紡ぐ→染める(モチロン染料も自分達で調達する)→織る を、代々伝わる方法で省略なしで作ってる。産業革命以前の方法なのだ。
例えば藍に染める時に必要な石灰。これさえ石灰岩を砕いて30時間も焼いて自分たちで作ってるというのだ。 その辺で売ってる石灰だと染め上がった時の色が全然違うらしい。

更に この布の凄いところは使えば使う程 美しくなっていくって事。
この着物を擦り切れるまで着て、もう仕立て直しが出来なくなるくらいにボロッってなっても 薄くなったところには継ぎを当てたり刺し子をしたり、パッチワークで他の布とあわせたりして他のものに再生できる。着物として少しずつ古びていく途中も美しいのだが、その再生されたものもとても魅力的だ。
谷さんの展覧会で、使い古された布で作られたパッチワークを是非ご覧頂きたい!

落ち着け~私。

ともかく 私はこの着物に袖を通す度に、手塩にかけて作られた布を纏う幸せを感じる。
こんな布がまだ地上に存在してて、普通の庶民が着物に出来るくらい身近なものであることに感謝してる。

「資本主義の波を被ってこの布作りが今後限りなく不可能に近くなる」そう言いながらラオスと日本を行ったり来たりして布作りを諦めない谷さんが、「今の一瞬を大切にして作ってみたいものを作った」という会が浦安であります。
谷さんの今年最後の展覧会です。
この会はギャラリーではなくHPE主催で、なにやら他の会場とは違う楽しい企画があるそうな。絶対行かなくっちゃ!!


HPE ラオスの布

11月16日(土)~22日(金)
11時から18時

於 路風舎ーろふうしゃー

浦安市堀江3-5-2(旧 宇田川住宅裏)

会期中の連絡先 03-3368-2636 (会場に転送される)

会期中 会場にはいつも谷さんがいらっしゃるそうです。

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by gallery-izumi | 2013-11-14 11:32 | テキスタイル

谷由起子さんの布

吉祥寺のOUTBOUNDに行って来ました。

「H.P.E. 谷由起子の仕事/ラオス少数民族との布づくり」 という展覧会を拝見し そして一年に一度谷さんの笑顔に会う為です。
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お元気そうで笑顔がほんとうに素敵な谷さん。
羽織られているのは、新しくチャレンジされている絞りのスカーフ。まるで星のように見える柄が魅力的でした。

まずOUTBOUND の小林さん撮影の「藍染のために使う石灰づくり」のテープを拝見しました。

山中にある巨大な石灰岩をまず砕くところからテープは始まります。とても硬い岩のようで 兎に角ガンガンガンと・・・特殊な機具もなく工事現場などにころがっていそうな鉄の棒でひたすら・・・

砕かれた岩の小さいものは、女性やお年寄り「子供?」と思うような華奢な体つきの人達で、大きな塊は男性が木の皮で即席でつくった紐をかけ 天秤で二人がかりで運ばれていきます。

それから その石は崖の斜面を利用してつくられた窯につめ込まれ(ここまでで既に辺りは真っ暗)30時間 ためておいた薪で焼かれるのです。
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この写真は窯に火をくべている様子で、今回のDMにも使われています。

気の遠くなるような過程を経てつくられた石灰は均等に分配されるそうです。
町では安く石灰が売られてるそうですが、この石灰で染められた藍染は色が格別にいいらしく、村人達はこだわって 過酷な作業を続けているとのことでした。

さて、谷さんと「HPEの布で作った着物を着ていく」と約束していた私。
秋らしい色のを持っていてよかった。
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着物は力のある紬 帯ももちろん谷さんの布で、表と裏の両方使えるように作ってもらった「昼夜帯」です。
私の拙い写真では 布の魅力を充分に撮影できてなくて残念。

会場いくまでに「素敵なお着物ですね」って知らない方から声をかけられたんですよ!!
うれしい!!
力のある布のお陰ですね。

多くの人に谷さんの魅力ある布を見て欲しい!!この素晴らしい布が地上から無くならないように・・・


OUTBOUNDでの谷さんの展覧会は11月111日まで(5日はお休み)です。
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by gallery-izumi | 2013-11-01 11:38 | テキスタイル

大島紬の柄のお話

母から貰った着物を仕立て直すために解きました。
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仕立て直しのために コレを持っていった先の呉服屋さんのおじいさんが色々とこの柄にまつわるお話をしてくださいました。

この柄は龍郷柄というそうです。
江戸時代に「奄美大島らしい柄の紬を織れ」と薩摩藩から命令を受けた 龍郷の村人達が、作り出した模様だそうで・・・
皆さん 何に見えますか?私は単純に「花模様かな?」と思ったのですが、
実はハブの鱗と蘇鉄の葉っぱを図案にした柄なんですって!!

え~~ハブぅ~~~。ハブって蛇だよね。蛇柄。爬虫類が苦手の私。一瞬え~~とうなってしまいましたが・・・・・
まぁ、いいか。

ハブハブしてないし、江戸時代にデザインされたのにちっとも古臭く感じさせない偉大なデザインの力に、爬虫類ってことは忘れて ありがたく着ることにします。

この龍郷柄以外に大島紬には「秋名バラ柄」「西郷柄」があるそうです。

「秋名バラ柄」は今度こそ「バラの花柄!!」と思うでしょ。残念でした。
当事、琉球では生活必需品の竹かごを「サンバラ」と呼んでいたそうで、その網目の模様をモチーフにして秋名村の職人さんが作ったそうですよ。
かごがモチーフですから格子柄であることも納得ですね。

「西郷柄」はあの西郷隆盛が 安政の大獄で薩摩藩を追われて奄美大島に住み、大島紬を織っていた島娘と結ばれた事に因んでつけられた名前だそうです。
西郷柄は主にオトコ物の生地だそうですが、一見地味に見える格子柄 ものすご~い難しい高度な技術で織られているんですって。

着物の柄にも いろいろな意味や歴史があるんですね。
龍郷村の紬 柄のことを知って着るのとそうでないのとは違うよね。
呉服屋のおじいさん。すごく面白いお話をありがとう!!
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by gallery-izumi | 2013-10-09 11:37 | テキスタイル

見てるだけの訪問着

数年前に母から譲り受けた 絽の訪問着。
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色は抑え気味だけれど ご覧の通り サンゴと熱帯魚がモチーフでとても個性的だ。
魚は一匹ずつ模様が描きこんであるし、気泡のようにも見える細かい点々など、微細な模様は手が込んでいて美しい。写真にうまく写ってないのが残念!!
技法はろうけつ染めで、作者は母と長い間おつきあいのある染色作家のこくたせいこさん。

この着物に合わせて母は波の模様の白い袋帯も一緒にくれたので、コーディネイトはバッチリなのだが・・・華やか過ぎて、着ていくところがなーーーい。。。

仕付け糸がついたまま譲り受けたので、母も一回も着ていないはずだ。
ああ、勿体無い。

夏物だから正式には7月と8月しか着れない。
これだけ暑いんだから9月上旬もおまけしてもらうとしても・・・・
今年この着物でお出かけできるのは後2~3週間が限界だろう。

着たいなぁ。どこか着ていくところないかしら?
誰かパーティに呼んで~~~。
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by gallery-izumi | 2013-08-23 21:41 | テキスタイル

今年も挑戦~

先週 3D-238(スリーディメンショナル)という名前で、着物リメイク服を提案されているデザイナー・三村はじめさんの展示会が銀座でありました。

今 私はギャラリーをしてた時のご縁で少しだけですが三村さんのお店を手伝っています。
で、今年も素人モデルとしてファッションショーに出ることになった訳です。

昨年に続き、またまた立派な肩を出すデザインの服を着ることに・・・
「肩だしはイヤだよ~」と拒否したら「業務命令!」と言われてしまいました。

b0218775_1316244.jpgこの写真のボレロをウォーキングの途中でひらりと脱ぎ捨てたのだ~~~。ストラップレスの下着が落ちてこなくてよかったです。













b0218775_13183570.jpgこのドレスは普段の私なら絶対着ないデザイン。裾のひらひら具合に慣れなくてドスドス歩きだったかも・・・?














b0218775_13215724.jpg三村さんらしい曲線パッチワークのジャケット。こんな面倒くさい、難しいパッチワークを綺麗に仕立ててあってびっくりです。
スカートも三村さんの作品。写真では解りにくいのですが、ギャザー遣いがとても個性的です。











b0218775_13242294.jpgもう一点、曲線パッチワークのスカート。これは私物です。この写真では田中真美子さんのセーターと合わせましたが、シンプルなブラウスやTシャツにもしっくりして、登場回数の多いスカートです。



三村さんのショーは年々お客様の数が増えて、今回も会場に入れないくらいでした。
ショーが終わった後の展覧会場もたくさんのお客様・・・。。
本当に活気にあふれた会でした。
来年は3月の第2週に行う予定です。皆さん是非いらしてくださいね!







三村さんのお店のHPは、
三村はじめ または 3D-238 で検索してみてね。
素敵な着物服がいっぱいあります。
お手持ちの着なくなった着物を洋服に縫い直すご相談にものっていますよ。

三村さんは私の知る限り、着物生地の洋服を作る人ナンバー1です。
面白いデザインで独創的なのから、気軽だけど どこかにヒネリが入ってるチュニックなど 色々です。もっともっと三村服が広まって欲しいと思う私でした。
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by gallery-izumi | 2013-03-15 13:46 | テキスタイル

お正月準備 その2

12月のお仕覆教室では、皆で来年の干支の古ふくさを作りました。
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この古ふくさのお裂地は、永井百合子先生がデザインされて龍村にオーダーして織って貰ったものです。

裂地の名前は「重ね石畳 双頭の蛇 紹巴織」です。長くて難しいですね・・・
拝見の時に尋ねられたら、すらすら答える自信ナシだわ。

先生の解説文は・・・・

大英博物館の展示品の中から、この図案を見つけ、文様を組み立てて完成しました。
アステカ文明は、マヤ・トルテカを継承し、様々な工芸品を残しました。
メキシコは、かつてメシカ・メヒコと呼ばれた語源もあり、トルコ石でちりばめられているこの「双頭の蛇」のモチーフは、美しい装飾品であり、神として崇拝されたことでしょう。


となっています。

なるほど・・・かんた~んに言えば、昔の南米の模様なのか。フム。
トルコ石でちりばめられているということは、冠とか何かに描かれていたまたは彫られていた模様ってことかな。神として崇拝・・・ってことは祭祀の時使う物だったかもしれない。

まっ、とに角、その南米の模様が 大英博物館にあって、それをご覧になった21世紀の日本人の永井先生が、茶の湯の古ふくさの為にデザインにおこされて 京都の有名な織元 龍村が織って、巳年の来年一年間 私達が持つことになった。

あ~なんか廻って巡って繋がってるね~~。
アステカ文明の人達、知ったらびっくりするやろな~。
と 馬鹿なことを言ってる間にも 2012年は暮れていくのであった。

来年はよい年になりますように・・・・
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by gallery-izumi | 2012-12-23 18:38 | テキスタイル

谷さんの着物

谷 由起子さんの布で作った帯が出来てきました。

表面と裏面 リバーシブルで結べる帯です。 こういうのを昼夜帯と言うそうですよ。
昼夜帯 いい呼び方やな~。リバーシブルなんて言い方は、これには合わないわ。
ま、それはともかく・・・
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画像では伝えきれない微妙な色。薄紫や水色の横糸と焦げ茶色の縦糸がうまく交じり合っています。
手紡ぎの糸ですから、ところどころにあるフシもいい味。
そして何より 決してピカピカでない輝きがあります。「力のあるシルク」だな~と心底 思います。

その帯を谷さんと初めて出会ったときに一目ぼれして作った着物に合わせて お出かけしました。
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帯揚げと帯締めは 紫系を選びました。帯の中に織り込まれている一色です。
うまくあってますか?

今度は帯のもう一方の白系のほうでコーディネイトに挑戦したいです。
楽しみ!
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by gallery-izumi | 2012-12-19 11:25 | テキスタイル

谷さんのストール

先日の谷さんの展覧会で求めたストールです。
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シルクの大きめのストール。この写真ではとても表しきれない赤です。

この赤は現地の言葉ではラックという染料で染められているそうです。
日本語ではカイガラムシ。さぼてんにつく虫です。

染料の名前としてはコチニールですが、私の知る限り、コチニールはピンクや紫系の色に染まるので、この真っ赤がコチニールで染められたというのは驚きでした。

カイガラムシの種類が違うのかもしれませし、驚くほど沢山のコチニールを使って染めてるとのことでしたので、その影響かもしてません。

この染料は現地ではとても貴重だそうで、谷さん自らリュックを背負い、山奥の村まで買いに行くそうです。
行きのリュックには染料の代金を入れて(インフレのためお札がいっぱい必要とか・・・)
帰りのリュックにはコチニールを詰め込んで。

もう今はなくなったそうですが、10年くらい前は その村まで行く途中、ケシの花畑があったそうです。大麻がつくられていたのでしょうね。

おっそうそう。会場のアウトバウンドさんでは、村の暮らしや仕事をしているフィルムが流れています。私はチラッとしか拝見してないのですが、ず~っと見入ってる方もいらっしゃいました。

どんどん村人達の生活が変わって来てるようなので、このフィルムは貴重な資料になるかもしれませんね。
あああ・・・もう一度ゆっくり拝見しに伺わなくては!です。
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by gallery-izumi | 2012-11-19 11:55 | テキスタイル

谷さんの展覧会

吉祥寺のアウトバウンドさんに「谷由起子の仕事 / ラオス少数民族との布づくり展」を観に行って来ました。
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レンテン族の方がミシンにも負けないくらい細かくステッチをしている写真が今回の案内状です。

アウトバウンド小林和人さんによる案内状の文章より・・・

今年の夏、谷由起子さんを訪ねて 2年振りにルアンナムターを訪れました。

市街地の交通量は格段に増え、村落にはテレビ用の大きなアンテナが入り、
山のゴム林も以前より目立つ様になりました。

一方、この滞在では人々の手に目が行きました。
収穫する手、火を熾す手、謡い舞う手、そして、物を作る手。

暮らしの腰に力強く据えられた手の存在感と、環境の急激な変化。
この地での手仕事の行く末に、安著と危惧の間を往来するばかりでした。

今回の展覧会では、手紡ぎ・手織り・草木染めの綿や絹の布製品が登場するほか、
レンテン族の針仕事や精霊の儀式、黒タイ族の機織り、カム族の葛の袋づくりの様子など、
谷さんの御案内のもと現地で撮影した様々な写真や映像を上映いたします。

小林和人


谷さんとラオスの少数民族がつくる布 いつまで存在しててくれるのでしょうか。
この布のファンとしては「なくしてはならない」と強く思います。

皆さん 是非 手にとって見てください。ほんとっ!素敵だから!!

谷由起子の仕事/ラオス少数民族との布づくり 展は
12月3日まで 11月20と27はお休み
11時から19時まで

詳しくは outbound  で検索してね。

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by gallery-izumi | 2012-11-15 23:00 | テキスタイル